○食用
現代ではドングリはあまり食べませんが、昔は重要な食料でした。
一般にナラ類やカシ類のドングリは渋み物質タンニンを多く含みます、渋み物質を含むのですから、そのまま食べれば当然渋い。渋抜きが必要になります。
具体的には流水にさらす、茹でこぼすなどの方法がとられます。茹でこぼす場合は灰汁を使うと効率が良いようです。重曹でも代用できますが、灰汁を使った方が完成品の味はよくなります。
ブナやシイの仲間は渋みが少なく、また甘みもあり、軽く炒って、あるいは生のままでも食べられます。
・渋がほとんどないドングリ - スダジイ、ツブラジイ、クリ
・渋が少ないドングリ - マテバシイ、イチイガシ、ブナ、イヌブナ、シリブカガシ
・渋があるドングリ - コナラ、ミズナラ、クヌギ、アベマキ、カシワ、ナラガシワ、ウバメガシ
・渋が多いドングリ - シラカシ、アラカシ、アカガシ、ツクバネガシ、ウラジロガシ、オキナワウラジロガシ、ハナガガシ
縄文時代はドングリを材料としたクッキーのような食品が食べられていたと言われます。いまだ実態は不明瞭ですが、今後考古学的な調査が進めば見えてくるものもあるでしょう。
現在では縄文クッキーと称して、ドングリ粉に玉子・栗・胡桃、砂糖、塩、蜂蜜、胡麻などを混ぜて焼いたものが作られます。
伝統的な料理法としては、アイヌのシト(団子)やラタシケプ(煮物)、東北地方のシタミ粉(ドングリから採取したでんぷん)を使ったお粥、熊本には同じくカシやシイのデンプンから作る樫の木豆腐・椎蒟蒻(いずれも葛餅のような食感)などがあります。
新しいところではコーヒーやパン、クッキーその他の製菓材料として利用されます。
ドングリバンクではこれらの食用利用について研究を進めており、成果品はポイントとの交換品としても提供させていただきます。
○飼料として
ドングリは大量のデンプンを含み、また他の成分にも富み、さらに一本の木になる個数が多いため、多くの動物が食糧として利用しています。
ムササビやネズミ、リスなどの小動物や、ツキノワグマ、イノシシなどの大型動物、幾つかの昆虫類や鳥類、それにヒトもドングリを食用とします。
高級豚として有名なイベリコ豚、精確に言うとその中で一番高いデ・ベジョータがドングリを飼料とすることで有名ですね。
ドングリバンクでは皆様からお預かりしたドングリの内、発芽しなかったなどの理由で植樹事業やポイント交換用の苗木に利用しなかったものの一部を、動物用飼料に加工し、牧場や動物園などの施設に廉価で提供致します。